こんにちは!ペンデル税理士法人医業経営支援部の親泊です。
扶養内で働くスタッフの「年収の壁」は、
人手不足に悩むクリニックにとって大きな課題です。
この度、就業調整の一因となっていた大学生などの子どもの収入要件が
緩和されることになりました。
2025年10月1日から、
健康保険の被扶養者認定における19歳以上23歳未満の学生(配偶者を除く)の
年間収入要件が、130万円未満から150万円未満へと引き上げられます。
(コラムの内容は公開時の法律等に基づいて作成しています)
何が変わるのか?
これまで、健康保険の被扶養者になるための収入要件は、
原則として年間収入130万円未満でした。
これを超えると扶養から外れ、自身で国民健康保険などに加入する必要があったため、
学生アルバイトなどが年末に勤務時間を減らす「働き控え」の一因となっていました。
今回の改正で、扶養認定時点で19歳以上23歳未満の家族(配偶者を除く)について、
収入要件が150万円未満に引き上げられます。
院長・事務長がスタッフに伝えるべき3つのポイント
この変更について、対象となるスタッフに正しく情報を伝えることが重要です。
- あくまで「健康保険」の扶養の話であること
今回の緩和は健康保険の扶養に関するもので、
「所得税の扶養控除」とは別です。混同しないよう注意を促しましょう。
- 「年収」は将来の「見込み額」で判断されること
健康保険の扶養認定でいう「年間収入」とは、過去の実績ではなく、
扶養に入る時点から将来1年間の見込み収入額を指します。
月収が概ね12.5万円(150万円÷12ヶ月)を超える状況が
継続すると見込まれる場合には、扶養から外れる手続きが必要になります。
短期間の増収など一時的なケースは除かれることがあります。
- 自動的に適用されるわけではないこと
今回の改正によって、年収が130万円以上150万円未満となり、
新たに被扶養者として認定を受ける場合は、
「被扶養者(異動)届」などの申請が必要です。
加入している健康保険組合や協会けんぽごとに手続き方法が異なるため、
所属先の案内に従いましょう。
まとめ
今回の改正により、健康保険の扶養を維持したまま働ける範囲が広がるため、
学生アルバイトの就業調整が緩和される可能性があります。
スタッフが安心して働ける環境を整えるためにも、
経営者として制度の変更点を正確に把握し、院内で周知することが大切です。
ペンデル税理士法人は、税務顧問を通じ、顧問先の皆さまの経営を長期的に支援しています。