こんにちは!ペンデル税理士法人 医業経営支援部の親泊です。
先生、患者再診率に注目したことはありますか?
慢性疾患の患者が増えてきた内科クリニックや、リハビリ患者が多い整形外科、治療終了後に定期的なメンテナンスがある歯科など、多くの医療機関で、患者の再診率向上は重要な課題と認識されています。再診率向上は、患者の健康管理をサポートするだけでなく、クリニックの経営安定化にも大きく貢献します。
再診率が向上することで、定期的な患者の来院が促進され、継続的な医療サービスの提供が可能になります。これにより、患者の健康状態を長期的に把握し、病気の早期発見や適切な治療計画の立案に繋げられます。また、再診率の向上は、新規患者獲得に比べてコスト効率が高く、安定したクリニック経営を実現するための重要な要素です。
(コラムの内容は公開時の法律等に基づいて作成しています)

なぜ患者は再診を忘れてしまうのか?
では、なぜ患者は再診を忘れてしまうのでしょうか?
その背景には、様々な要因が考えられます。例えば、多忙な日常生活の中で予約日を忘れてしまったり、体調が改善したことで通院の必要性を感じなくなったり、あるいは、予約方法や来院受付など、受診するまでの動線になにかボトルネックがあるといった理由も考えられます。
これらの要因を解消し、患者の再診率を向上させるためには、患者一人ひとりの状況に合わせた、きめ細やかな対応が求められます。
最新ツールを活用した再診促し
現在、再診促しには様々なツールが活用されています。
従来のはがきや電話に加え、近年では、SMS(ショートメッセージサービス)やLINEなどのメッセージアプリ、メール配信システムなどが普及しています。
これらのツールを活用することで、患者は自身のライフスタイルに合わせて、都合の良い方法で再診の案内を受け取ることができます。例えば、メッセージアプリを通じて、予約日のリマインド通知を受け取ったり、メールで健康情報やクリニックからのお知らせを受け取ったりすることが可能です。
また、これらのツールは、患者とのコミュニケーションを円滑にするだけでなく、クリニック側の業務効率化にも貢献します。例えば、予約管理システムと連携することで、自動的にリマインドメッセージを送信したり、患者からの問い合わせに自動応答したりすることができます。
再診促し成功事例 『患者との信頼関係構築』
実際に、これらのツールを活用して再診率向上に成功している医療機関も数多く存在します。ある歯科クリニックでは、定期的な歯科検診の重要性を患者に理解してもらうために、検診時期に合わせて、個別にメッセージアプリで情報提供を行いました。その結果、患者の定期検診の受診率が大幅に向上し、患者との信頼関係も深まっています。
また、ある皮膚科では、慢性的な皮膚疾患の患者に対して、定期的なスキンケア指導や紫外線対策の情報提供をメールで配信しています。これにより、高いレベルで再診率維持と、患者の自己管理能力が向上しているそうです。
これらの事例から分かるように、最新ツールを活用した再診促しは、患者の健康管理をサポートするだけでなく、クリニックと患者の信頼関係を構築し、クリニック経営を安定化させるための有効な手段となります。
再診率向上に向けた今後の展望 『AIによる個別最適化』
今後は、AI(人工知能)を活用した、より高度な再診促しが期待されます。
例えば、AIが患者の過去の受診履歴や生活習慣データを分析し、受診忘れや遅刻の可能性が高い患者を特定し、個別にリマインドメッセージを送信したり、電話で声かけを行ったりすることが可能になるでしょう。
また、AIチャットボットを活用することで、患者からの問い合わせに24時間対応したり、一般的な病気の説明に応じたりすることも可能になる可能性が高いでしょう。
医療機関単独で、このようなシステムを開発することは現実的ではないかもしれませんが、いざ、医療機関で利用できるシステムが出てきたときに、活用できるような準備はしておきたいものですね。
ペンデル税理士法人は、これまで多くの医療機関のサポート役として、院長と並走してまいりました。
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