こんにちは!ペンデル税理士法人 医業経営支援部 親泊です。
これからシリーズで、
開業をお考えになる段階から、開業後の節税方法、医療法人申請や、
将来的な診療所の事業承継について、お伝えしていきたいと思います。
今回はシリーズ第1回として、勤務医がスムーズにクリニックを開業するための第一歩、
「事業計画の作成と資金調達」について解説します。
開業への第一歩!事業計画の作成と資金調達
クリニック開業を考えた場合に、実際に何をどうすればいいの?お金はどうするの?経営の事は何も分からないのに開業していいの?といった様々な不安や疑問が生じるのではないでしょうか。
そんな不安や疑問が少しでも解消できるように、税理士の視点から見る【開業】を次の8つのテーマに分類してお伝えいたします。
Ⅰ (開業)事業計画書の作成及び資金調達
Ⅱ (開業)開業準備に関する税務
Ⅲ (開業)B/S、P/L、C/Fの読み方
Ⅳ (節税)概算経費について
Ⅴ (節税)個人事業主の節税方法
Ⅵ (医療法人化)医療法人化のタイミングとメリット・デメリット
Ⅶ (確定申告)確定申告の注意事項
Ⅷ (承継・相続)個人事業主・医療法人の承継について
クリニックを開業するということは、医師としての役割を担うと共に、経営者としての役割を担うことになります。 このコラムでは、医師としての立場だけではなく経営者として必要となる知識を要約し、まとめております。
このコラムは、開業前はもちろんのこと、開業後の永続していくクリニック経営の意思決定のお役に立てればと思っていますので、開業前、開業後の意思決定が必要となるタイミングで是非、本コラムを読み返してみて下さい。
それでは早速ですが、今回は『事業計画の作成及び資金調達』についてお話しさせていただきます。
事業計画とは
クリニック経営の羅針盤となる計画であり金融機関での融資を受ける際には必ず必要となる書類です。事業計画は主に投資計画と利益・資金計画を組み合わせて作成します。
① 投資計画
医療機器や内装工事等の設備資金と経営が軌道に乗るまでの間に必要となる運転資金の総額をシミュレーションしたものです。
② 利益・資金計画
一般的に約3~5年間の事業収支を計画します。 計画作成の重要なポイントは、投資計画に対し、資金収支の分岐点に達するまでにどのくらいの期間を要するか、ということです。
具体的には、診療科目ごとの平均単価や先生の診療方針を基に、一日平均何人の患者を診察すれば収支が合うか、という所まで落とし込んで計画を作成する必要があります。
また、資金収支の分岐点に達するまでの期間があまりにも長すぎる場合には、その投資計画に無理があるということになり、投資計画を修正する必要がありますので、投資計画と利益・資金計画は一体で考えるようにしましょう。
①と②をまとめて事業計画と呼びますが、金融機関が融資金額や融資条件を決める際に特に重要視しています。
事業計画の出来栄えにより融資条件に影響を与えますので、しっかりと金融機関に説明できる
事業計画を作成するようにしましょう。
開業にあたっての資金調達方法について、
よくご質問頂く事項をQ&A形式でまとめたのでご覧ください。
Q1 開業を検討していますが、自己資金があまりありません。開業は厳しいでしょうか?
A1 自己資金がないと絶対に開業できないといった事はありません。
ただし、金融機関との融資交渉をスムーズに行うためにも借入総額の最低10%程度はご用意頂くことをお勧め致します。
また、金融機関にもよりますが、融資審査において、先生の預金等の他ご家族分の預金等、先生の生命保険の解約返戻金もプラス査定してくれるケースがございますし、他の金融機関の普通預金を移動することでプラス査定なることもございます。
なお、開業にあたっては、以下の方法による資金調達が一般的です。
① 自己資金
② 親からの借入
③ 金融機関からの融資
④ リース
先生のご開業に際し、金融機関の選定でお悩みでしたら、ペンデル税理士法人 医業経営支援にご相談ください。
先生の状況を詳しくお伺いし、最適な金融機関をご提案いたします。