こんにちは!ペンデル税理士法人医業経営支援部の親泊です。
「扶養内で働きたいので、これ以上シフトに入れません」。
この言葉に、どれほど多くの院長が頭を抱えてきたでしょうか。
しかし、2026年4月から、健康保険の被扶養者認定における「年間収入」の考え方について、
運用の明確化・整理が行われる予定です。
従来の「結果としての年収」だけでなく、「契約上の賃金」を重視して判断する運用となる
この大転換を、スタッフ確保の武器にできるかが経営の分かれ目です。
(コラムの内容は公開時の法律等に基づいて作成しています)
「実績」から「契約」への大転換
新ルールの核心は、労働条件通知書等に記載された
「契約上の賃金(時給×労働時間×日数)」をベースに判定を行う点にあります。
- 一時的な増収はノーカウントの場合も
繁忙期の残業や予定外の手当など、一時的・臨時的な増収については、
直ちに扶養判定に影響しないケースもあると整理されています。
- 判定基準の明確化
19歳〜23歳未満(配偶者を除く)は150万円、60歳以上等は180万円といった
基準が示されており、保険者ごとの運用確認が必要です。
- 契約変更時の再確認
労働契約の変更(時給アップ等)があった際は、その都度、新しい契約内容で
再判定が行われます。
シフト管理の自由度が劇的に向上する
これまでは「130万円を超えそうだから12月に休む」といったスタッフの調整により、
インフルエンザ流行期などの繁忙期に人手が足りなくなるリスクがありました。
新ルールでは、契約上の年収が基準内であれば、突発的な残業が発生しても扶養を維持
できるため、契約内容の範囲内であれば、繁忙期にスタッフの協力を得やすくなります。
一方で、労働条件通知書(雇用契約書)が整備されていない場合、
契約内容を前提とした判断ができず、従来通り実績重視の判定となる可能性があります。
おわりに
2026年4月の施行を見据え、可能であれば2月・3月中に以下の準備を進めておきたいところです。
- 全スタッフの労働条件通知書の整備
「時給×時間×日数」で計算した理論年収を算出し、
130万円(または150/180万円)以内に収まっているか確認する。
- 「給与収入のみ」の申立て準備
2026年4月以降の認定時にスムーズに手続きできるよう、スタッフへの周知を徹底する。
- 時給引き上げの再検討
最低賃金上昇等に伴う単価アップを、労働時間短縮と組み合わせて
「扶養枠内」に最適化する。
曖昧な契約関係は、スタッフの不安を煽り、離職を招きます。
ペンデルグループは、医療現場の実態に即した契約書の作成を支援します。
スタッフが安心して、かつ全力で働ける環境を今こそ整えてください。
(ペンデルへのお問い合せ はこちらから)
(参考)
厚生労働省:労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定について(通知)
厚生労働省:同制度に関するQ&A(事務連絡)