こんにちは!ペンデル税理士法人医業経営支援部の親泊です。
クリニックの建物を個人所有している、あるいは不動産投資を行っている
院長先生にとって、確定申告で最もミスが起きやすく、かつ税務調査で指摘されやすいのが
「地代・家賃の収入計上時期」です。
通帳の入金日だけで判断すると、思わぬ「申告漏れ」を招くことになります。
(コラムの内容は公開時の法律等に基づいて作成しています)
原則は「契約書」に定められた支払日
所得税法上、不動産賃貸料をいつの収入にするかは、通帳に入金された日ではなく、
「契約書で定められた支払日」が属する年となります。
- 前月払い契約のケース
契約書に「翌月分の賃料を前月の末日までに支払う」と記載されている場合。
例えば、令和8年1月分の家賃であっても、契約上の支払日は令和7年12月31日です。
この場合、たとえ12月末に入金が遅れていたとしても、1月分の家賃は
「令和7年分」の収入として計上しなければなりません。
- 支払日が定められていないケース
契約書に支払日の定めがない場合に限り、実際に支払いを受けた日が
計上時期となります。
- 一括前払いのケース
契約で「1年分を12月末までに一括で前払いする」とされている場合、
その支払日に1年分の全額を収入計上するのが原則です。
「期間対応」による計上の特例を活用する
「1月分の家賃は1月の収入にしたい」という実態に合わせた処理を行うには、
一定の要件を満たすことで「貸付期間」に応じた計上も認められています。
・事業的規模(5棟10室以上等)の場合
継続的な記帳を行い、帳簿上で前受収益・未収収益の処理を適切にしていれば、
期間対応での計上が可能です。
・事業的規模でない場合
1年以内の賃貸料についてのみ、上記の要件を満たすことで期間対応が認められます。
「医」と「不」を分ける個人資産管理と相続対策
不動産所得が診療所経営とは切り離された個人事業だからこそ、税務調査では
「医業経費との公私混同」が厳しくチェックされます。
診療所の経費を個人の不動産所得の経費に紛れ込ませていないか、あるいはその逆がないか。
資金の動きと計上ルールを明確にしておくことが、個人の資産を守る第一歩です。
さらに、不動産所得の適正な管理は、将来の相続対策において極めて重要な土台となります。
正確な収益力と資産価値を把握しておくことで、スムーズな遺産分割や納税資金の確保、
さらには不動産の法人化(資産管理会社の活用)といった高度な対策が可能になります。
「契約内容」に従うという基本を徹底し、診療所経営とは別の「独立した個人事業」として
透明性を保つことが、長期的な資産防衛に繋がります。
「自分の賃貸契約はどの計上ルールに該当するのか?」
「相続を見据えたより有利な管理方法はないか?」といった疑問は、
医療と不動産の両面に精通したペンデル税理士法人にお任せください。
ペンデルグループの総力を挙げ、先生の個人資産の形成と防衛を全力でサポートいたします。
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(参考)
国税庁タックスアンサー No.1376:不動産所得の収入計上時期
国税庁:不動産等の賃貸料にかかる不動産所得の収入金額の計上時期について(法令解釈通達)