こんにちは!ペンデル税理士法人医業経営支援部の親泊です。
火災や震災など、不測の事態は突然訪れます。幸いにも火災保険が下りたとしても、
浮かれてはいられません。
その保険金のうち、帳簿価格を超える部分(保険金差益)が「益金」として課税され、
代替資産(新しい設備や建物)の購入資金が不足すれば、診療再開は遠のきます。
これは「課税による再建阻害」という経営リスクです。
(コラムの内容は公開時の法律等に基づいて作成しています)
「保険差益の圧縮記帳」という資金保全策
法人税法には、保険金で受け取った利益を一時的に課税せず、将来に繰り延べる
「圧縮記帳」という制度があります。(個人事業では、所得税法にも同様の制度があります)
- 仕組み
保険差益(受け取った保険金−滅失資産の帳簿価額等)を、新しく取得する資産の
取得価額から直接減額します。※減額方法は直接減額方式が原則です。
- 効果
課税を「将来の減価償却費の減少」という形で先送りすることで、要件を満たせば、
今、手元にある現金を全額、復旧投資に充てることが可能になります。
- 期限
原則として、被害のあった日から3年以内に支払が確定した保険金が対象です
(実際の受領時期とは異なる点に注意が必要です)。
キャッシュフローの断絶を回避しよう
- 保険契約の見直し
圧縮記帳は「同一種類の固定資産」(例:建物→建物、医療機器→医療機器)の
取得が条件です。
現在の保険がどの資産(建物、設備、在庫)をカバーしているか再確認してください。
- 罹災証明書の即時取得
実務上は、市町村発行の罹災証明書の取得が強く求められます。
- 特別勘定の検討
事業年度内に代替資産を取得できない場合でも、「特別勘定」を設けることで
損金算入できる猶予期間(原則2年)があります。
※特別勘定には、取得意思が明確であることを示す社内資料等の整備が必要です。
「知らなかった」では済まされないのが税務です。
ペンデルグループは、不測の事態においてもクリニックが診療を継続できるよう、
守りの財務戦略を徹底サポートします。
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(参考)
国税庁:タックスアンサーNo.5608保険金等で取得した固定資産等の圧縮記帳