こんにちは!ペンデル税理士法人医業経営支援部の親泊です。
個人でクリニックや薬局を営む皆様が、事業用の医薬品、衛生用品、サプリメントなどを
自分や家族の生活のために使用した場合、税務上は「家事消費(自家消費)」として
扱われます。
これは単に在庫を減らすだけでなく、事業の「収入(売上)」に計上しなければならない
という重要なルールがあります。
(コラムの内容は公開時の法律等に基づいて作成しています)
なぜ「タダ」で使っても売上が発生するのか
所得税法では、事業用の資産を私的に消費した場合、その時の価額(時価)を
総収入金額に算入することが定められています。
- 理由
事業の経費(仕入高)として計上されたものを私的に使ってしまうと、
事業所得が不当に低くなってしまうため、これを調整するために
売上があったとみなすのです。 - 対象
医薬品、サプリメント、マスク、消毒液などの棚卸資産(物)が対象です。
診察などのサービス(役務)の提供は対象外となります。
収入に計上すべき金額:所得税と消費税の違い
いくらで売上計上すべきかには特例があり、所得税と消費税で計算割合が異なる点に
注意が必要です。
所得税の場合(事業所得)
原則は通常の販売価額ですが、帳簿に記録している場合に限り、
以下のいずれか大きい方の金額を収入に計上できます。
- 仕入金額(原価)
- 通常の販売価額の70%
消費税の場合(みなし譲渡)
消費税でも自家消費は「譲渡」とみなされます。対価の額は、以下のいずれか大きい方の
金額以上とする必要があります。
- 仕入金額
- 通常の販売価額の50%
具体的な会計処理の例
例えば、1本320円で仕入れたサプリメント(顧客への販売額500円)を
家事のために消費した場合、
所得税の特例を適用すると、仕入320円vs販売額の70%(350円)となり、
350円を収入計上することになります。
仕訳例(借方)事業主貸350/(貸方)家事消費350
税務調査での指摘を避けるために
家事消費の計上漏れは、個人事業主の税務調査で頻繁にチェックされるポイントです。
特に飲食業や小売業、そして医薬品を扱う薬局やクリニックは、意図せずとも
「つい」使ってしまうケースが多いため、月別売上表の「家事消費等」の欄に
適切に記載する習慣をつけましょう。
「何が家事消費に該当するのか?」「適正な計算ができているか?」といった不安は、
ペンデル税理士法人が解消いたします。
医療経営特有の経理実務に精通したスタッフが、院長先生のパートナーとして、
透明性の高い健全な経営を支えます。
(ペンデルへのお問い合せ はこちらから)
(参考)
国税庁:質疑応答事例 棚卸資産の自家消費