こんにちは!ペンデル税理士法人医業経営支援部の親泊です。
2026年現在、クリニックや病院を経営する院長先生が直面している、見過ごせない外部環境の変化が2つあります。
1つ目は「金利の上昇」です。日本銀行の政策変更に伴う金利上昇を受け、変動金利で医療機器の設備資金や運転資金を借り入れている医療法人では、じわりと返済負担が重くなっています。
2つ目は「人件費の高騰」です。民間企業では高水準の賃上げが続いており、看護師や医療事務スタッフの採用・定着のため、中小規模のクリニックであってもベースアップを含めた処遇改善を検討する医療機関が増えています。
一般企業であれば値上げによる「価格転嫁」が可能ですが、公定価格である診療報酬制度の下にある医療機関では、コスト増を簡単に患者負担へ転嫁することができません。結果として、これらの負担は手元のキャッシュフローを確実に圧迫します。
(コラムの内容は公開時の法律等に基づいて作成しています)
「問題ない」と思う今こそが最大の油断
こうした環境変化は、じわじわと経営体力を奪っていくのが恐ろしいところです。多くの院長先生は日々の診療業務に追われ、財務状況のきめ細かな把握が後手に回りがちです。
例えば、患者数は横ばいでも、人件費や材料費の上昇により利益率だけが徐々に低下しているケースは珍しくありません。問題が表面化し、資金繰りがショートしかけてからでは、金融機関への条件変更(リスケジュール)など、打てる対策は大幅に限定されてしまいます。
経営の危機を感じる前の「今」こそ、自院の経営状況と財務基盤を正確に把握しておくことが肝要です。
国が費用の一部を補助する「経営の定期健康診断」制度
こうした事態に備え、財務基盤を強固にするための武器として活用したいのが、国の「早期経営改善計画策定支援事業」です。
この制度は、認定経営革新等支援機関(認定支援機関)の専門的なサポートを受けて、自院のビジネスモデル俯瞰図、資金繰り計画、アクションプランなどを策定する際、所定の補助率・上限額の範囲で国の補助を受けられる制度です。
重要なのは、「今すぐ銀行の金融支援が必要な状況ではない」段階の医療機関こそが主な対象である点です。いわば、手遅れになる前に受ける「経営の定期健康診断」として活用できます。なお、医療法人においても、一定の要件を満たす医療法人であれば本事業の対象となります。
計画策定で得られる「3つの武器」
本事業を通じて、具体的に以下の資料を作成・可視化します。
- ビジネスモデル俯瞰図: 自院の強みや収益構造、経営環境などを整理・可視化します。
- 資金実績・計画表: 過去の実績をベースに、今後の借入返済や設備投資を見据えた将来の資金繰りの見通しを立てます。
- アクションプラン: 「いつまでに」「誰が」「何をするか」を目標数値とともに具体化します。
これらを作成し、PDCAを回せる体制を整えることで、経営課題が鮮明になるだけでなく、金融機関との対話が進めやすくなり、経営改善への取り組みを適切に評価してもらいやすくなります。
嵐が来る前に準備を
外部環境の激変をただ静観するのではなく、第三者の専門家の目を入れて経営の全体像を可視化することが、これからの医療経営を生き抜く強力な武器になります。
ペンデル税理士法人は、経済産業省認定の「経営革新等支援機関(100413022102)」としての豊富な実績を持ち、医療機関の経営改善から財務体質の強化までサポートしております。
自院の「経営の定期健康診断」として、まずはペンデルまでお気軽にお問い合わせください。
(ペンデルへのお問い合せ はこちらから)
(参考)
中小企業庁:早期経営改善計画策定支援(ポータルサイト)
中小企業庁:認定経営革新等支援機関検索システム