税金のこと、一緒に考えましょう!
こんにちは!ペンデル税理士法人 医業経営支援部 親泊です。
今回は、『開業に関する税務』についてお話させていただきます。 開業準備は、医療設備の準備やスタッフの採用など、やるべきことがたくさんあります。 その中でも、税金に関することは、専門知識が必要で、少し複雑に感じられるかもしれません。 そこで、この連載では、クリニック開業にともなう税務について、よくある質問を中心にわかりやすく解説していきます。 開業前に知っておくべき基本的な知識から、開業後の税務対策まで、幅広く取り上げていきますので、ぜひ参考にしてください。
開業準備でよくある質問
1. 開業準備のための支出は経費になるの?
はい、開業準備のために使った費用は、原則として「開業費」として経費にすることができます。 例えば、
- オフィスを借りる際の仲介手数料
- クリニックのロゴ作成費用
- 開業前の研修費用
- 広告費 などが挙げられます。
ただし、すべての費用が経費になるわけではなく、開業に直接関係のない費用は経費として認められない場合があります。
2. 配偶者に給与を支払うことはできる?
はい、配偶者に給与を支払うことは可能です。ただし、いくつかの条件を満たす必要があります。
- 青色申告をしていること
- 青色事業専従者給与に関する届出を提出していること
- 配偶者が実際に働いていること
- 支払う給与額が、働いた内容に見合っていること
などです。
3. 開業すると、どんな税金を払うの?
主な税金は、以下のようなものがあります。
- 所得税
事業所得に対する税金です。 - 住民税
所得税と同様に、事業所得に対して支払う税金です。 - 消費税
売上高が一定額を超えると、消費税を納める必要があります。 - 事業税
事業を行っている人に課される税金です。 - 固定資産税
土地や建物などに課される税金です。 - 源泉所得税
従業員に支払う給与から、あらかじめ源泉徴収した税金です。
4. 開業祝いでお金をもらったら?
誰からお金をもらったかによって、税金処理が変わってきます。
- 事業関係者から
事業所得として扱われる可能性があります。 - 友人などから
一定額までは贈与として扱われ、税金がかからない場合があります。
5. 青色申告ってなに?
青色申告とは、白色申告に比べて様々な税制上の優遇措置を受けることができる申告方法です。
- 青色申告のメリット
- 所得控除が受けられる(青色申告をしっかりするだけで、税金が減ります!)
- 赤字を繰越せる
- 少額資産の特例が受けられる
- 青色申告の注意点
- 青色申告承認申請書を提出する必要がある
- 帳簿をきちんとつけなければならない
開業前に知っておくべきこと
- 開業費の経費処理
開業費は、一括で経費にするか、資産として計上するか、どちらかを選ぶことができます。 - 青色申告
青色申告のメリットを最大限に活かすためには、税理士に相談することをおすすめします。 - 税金の納付期限
各税金の納付期限を把握し、延滞税を払わないようにしましょう。 - 領収書の保管
全ての経費について、領収書を保管しておきましょう。
開業準備を進める上では、税金に関する知識も欠かせません。
この記事では、開業準備で多くの方が疑問に思う点について解説しました。
開業前に税理士に相談し、ご自身の事業で可能で最適な税務対策を立てることを強くおすすめします。
次回の記事では、開業後の税務対策について、より詳しくご説明いたします。
ご自身の事業の段階に合わせて、節税を検討していくために、ぜひご一読ください。