こんにちは、ペンデル税理士法人 医業経営支援部 親泊です。
開業を考えている先生、開業された先生ともにご質問が多い『税務調査』について、
税務調査ってなに? から、税務調査後の対応まで シリーズでお話ししたいと思います。
税務調査の連絡がくるまでにご一読ください。
(コラムの内容は公開時の法律等に基づいて作成しています)
お忙しい先生で、コラムを読み込んで対策する時間がないけど、
心配だから一度相談に乗ってほしい!という先生は、まずはご相談いただければ、
私たちが可能な限りのサポートをさせていただきます。
ご不明な点やご不安な点がございましたら、いつでもご連絡ください。
税務調査の基本と対策
税務調査って聞くと、なんだかドキドキしませんか?
「え、うちは大丈夫かな…?」って心配になるかもしれません。
でも、安心してください。しっかり準備しておけば、
税務調査もそれほど怖いものではありません。
この章では、税務調査の基本的な流れや、調査の対象になりやすいパターンを
わかりやすく説明していきます。
準備しておけば、慌てる必要なんてないのです。
税務調査ってなに?
まず、税務調査とは一体何なのかというと、
簡単に言えば「あなたがちゃんと税金を納めてるか確認するための調査」です。
毎年、確定申告をして税金を払ってますよね?
その申告内容が法律に沿って正しく行われているかを、
税務署や国税局がチェックするわけです。
ただ、すべての人や法人が毎年税務調査を受けるわけではありません。
税務署も忙しいので、全員をチェックするのは不可能です。
ですから、税務署が「この人、ちょっと怪しいかも?」と判断した人や法人に調査が入る、
というわけです。
ちなみに、法人税のデータによると、税務調査が行われるのは全法人のうち約5%くらい。
そして、その調査を受けた法人のうち、7割以上が「修正申告」を出しています。
これを聞くと「税務調査が来たら税金を追徴されるんじゃないか?」と思うかもしれませんが、
逆に言えば、3割は問題なくクリアしているということです。
個人事業者に関しては、法人税のケースから推測して、
同じくらいの割合で税務調査が行われていると推測できます。
調査対象になる基準って何?
「じゃあ、どうやって税務署は調査の対象を選んでるの?」と気になりますよね。
調査の対象になるにはいくつかのポイントがありますが、
基本的には申告内容や過去のデータをもとに税務署が「ここ、ちょっとおかしいぞ?」と
感じたところが調査される傾向があります。
具体的には、以下のようなポイントです。
異常な数値
例えば、業界平均や過去3年間のデータと比べて、売上が急に増えたのに利益が少ない、
あるいは経費がやたら多い、など異常な数値が出ている場合、
税務署は「何かおかしいな?」と思います。
特に、収入を隠したり経費を多く見積もっているんじゃないか、と疑われるケースが多いです。
多額の資産取得
突然、大きな土地や高価な建物を買った場合、その資金の出どころが怪しまれます。
過去に収入を隠していた資金を使っているんじゃないか、と疑われることがあります。
特に、多額の設備投資を行った場合は、税務署が資金の流れに目を光らせます。
開業から3年以上経っている
開業してから3年以上が経過していると、税務調査が入る可能性が高まります。
これは、一般的に税務署が調査対象として選びやすいタイミングとされています。
また、前回の調査から3年以上経っている場合も再調査が行われることが多いです。
投書や密告があった場合
内部告発や密告によって調査が入るケースもあります。
例えば、従業員や取引先が「この診療所、何かおかしい…」と感じて
税務署に通報することがあります。
具体的な証拠や書類が添付されている場合、税務署はそれをもとに調査を行います。
喧嘩別れした職員が税務署に通報した、ということもお聞きすることがありますね。
税務調査には2種類ある
税務調査には「強制調査」と「任意調査」の2種類がありますが、一般的に行われるのは「任意調査」です。
強制調査
強制調査というと、ニュースなどで見る「マルサの査察」が有名です。
これは、裁判所の令状を持って行われる調査で、
かなり悪質な脱税容疑がある場合に行われます。
強制的に書類や証拠を押収されるので、一般の人や企業が受けることはまずありません。
任意調査
任意調査は、通常の税務調査のことを指します。
名前の通り「納税者の同意のもとに行う調査」という建前がありますが、
実際は、調査を拒否すると、罰則規定が適用されることもあるので、
税務署から連絡が来たら基本的には断ることはできません。
調査が来るのはいつ?
税務調査の時期は、一般的に春と秋が多いと言われています。
これは、税務署が確定申告の内容をチェックし、
問題があれば調査を行うタイミングだからです。
また、申告を税理士事務所に依頼している場合は、
税務署から税理士事務所に「〇月〇日に調査に伺いたいのですが…」という相談が
ある場合が多く、この場合は日程の調整が可能です。
忙しい時期やどうしても対応が難しい場合は、
顧問税理士に相談して調整してもらいましょう。
ただし、まれに事前連絡なしで突然訪問されることもあります。
これを「抜き打ち調査」と言います。抜き打ち調査が行われる理由としては、
事前に情報があって不正が疑われている場合や、
現金収入がメインの業種など、証拠を隠される恐れがある場合に行われます。
現金の確認など、簡単な調査がその場で行われることもありますが、
その場合も冷静に対応しましょう。
重要なのは感情的にならず、まず顧問税理士に連絡を入れて相談することです。
税務調査を怖がる必要はない
「税務調査が来たらどうしよう…」と心配するかもしれませんが、
正直に申告していればそれほど恐れることはありません。
日頃から帳簿をしっかり整え、税理士と一緒に正しい申告をしていれば、
問題が起きることは少ないです。
税務調査の際に大切なのは、冷静な対応としっかりとした準備です。
税務署の質問に対して、必要以上に説明することはありませんし、
わからないことは「後で確認します」と言って、税理士と一緒に対応すれば大丈夫です。
シリーズ1回目はここまでです。
今回は、「税務調査ってなに?」からお話しさせていただきました。
次回は、「税務調査の流れと対応方法」をお話しさせていただきます。
ご不明な点やご不安な点がございましたら、いつでもご連絡ください。