こんにちは!ペンデル税理士法人 医業経営支援部の親泊です。
医療機関を取り巻く経営環境は、厳しさを増すばかりです。
少子高齢化、患者数の減少、医療費抑制政策など、課題は山積しています。
しかし、厳しい経営環境下でこそ、知恵と工夫を凝らし、未来を切り拓いていきましょう。
本日は、2025年2月12日に示された、医療施設等経営強化緊急支援事業実施要綱について
お伝えさせていただきます。
(コラムの内容は公開時の法律等に基づいて作成しています)

医療施設等経営強化緊急支援事業とは
令和6年度の補正予算で、「医療施設等経営強化緊急支援事業」が創設されました。
この事業は、医療機関の経営を支援し、地域医療の確保を図ることを目的としています。
具体的には、以下の支援策が盛り込まれています。
1.生産性向上・職場環境整備等支援事業
ICT機器(タブレット端末、離床センサー、インカム、WEB会議設備、床ふきロボット、
監視カメラ等)の導入支援、タスクシフト推進(医師の業務を看護師や事務職員に移管)、
給付金を活用した賃上げ支援などを行います。
2.病床数適正化支援事業
病床削減を行う医療機関に対し、1床あたり410万4,000円を交付するほか
病床削減と同時に外来診療や訪問診療など地域医療ニーズに合わせた機能転換を支援します。
3.施設整備促進支援事業
朽化した施設の建て替えや診療科の増設などを行う医療機関に対し費用の一部を補助するほか
バリアフリー化や耐震化など施設の改修費用を補助します。
4.分娩取扱施設支援事業・小児医療施設支援事業
分娩施設の減少が進む地域における分娩取扱施設の運営費や
小児科医不足が深刻な地域における小児医療施設の運営費を支援します。
5.地域連携周産期支援事業(分娩取扱施設)
分娩取り扱いを休止する産科施設に対し、妊婦健診などを継続するための費用を支援します。
6.医療施設等経営強化緊急支援執行事業
都道府県が実施する医療施設等緊急支援事業の執行に係る経費を支援します。
開業医が注目すべきポイント
これらの支援策の中で、開業医が特に注目すべきは、以下の点です。
1.生産性向上・職場環境整備等支援事業
ICT機器の導入による業務効率化は、医師の負担軽減に繋がり、より質の高い医療を
提供するための時間を確保できます。
タスクシフトの推進は、医師の専門性を活かすとともに、他の職員のスキルアップにも繋がります。
賃上げ支援は、優秀な人材の確保・定着に繋がり、医療機関の活性化に貢献します。
2.施設整備促進支援事業
施設の老朽化が進んでいる場合、患者さんの安全・安心を確保するためにも
建て替えや改修を検討する良い機会です。
新たな医療機器の導入は、より高度な医療を提供できるようになり
患者さんの満足度向上に繋がります。
3.分娩取扱施設支援事業・小児医療施設支援事業
地域医療において、分娩取扱施設や小児医療施設の役割は非常に重要です。
これらの施設への支援は、地域医療の維持・発展に不可欠です。
支援を受けるための手続き
支援を受けるためには、都道府県の窓口に申請する必要があります。
申請期間や要件など、詳細は厚生労働省のHPをご参照ください。
(厚生労働省 令和6年度医療施設等経営強化緊急支援事業の実施について)
最後に
医療施設等経営強化緊急支援事業は
医療機関の経営を支援し、地域医療を守るための重要な取り組みです。
開業医の皆様は、この制度を積極的に活用し
より良い医療を提供できる体制を構築していきましょう。
ペンデル税理士法人は、これまで多くの医療機関のサポート役として、
院長と並走してまいりました。
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