こんにちは!ペンデル税理士法人 医業経営支援部の親泊です。
全3回にわたるコラムシリーズもいよいよ最終回を迎えました。
前回までの内容では、医療現場が抱える様々な経営課題と
その解決に向けた基本的なアプローチについてご紹介してまいりました。
今回のテーマは「持続可能な医療経営の実現」に向けた事業承継
つまりM&Aの一形態としての事業再編に焦点を当て
これまでの経営体制の見直しと刷新を通じて、将来にわたるリスク分散と成長戦略を
どのように構築できるかをお伝えいたします。
(コラムの内容は公開時の法律等に基づいて作成しています)

持続可能な医療経営への転換と事業承継の意義
医療業界は、急激な技術革新や制度改革、人口動態の変化など
日々外部環境の影響を受けながら変貌を遂げています。
これまで、各医療機関は院長や経営陣の長年にわたる経験と信頼関係を背景に
独自の経営戦略を展開してきました。
しかし、現代の医療現場においては、従来のノウハウだけでは十分な対応が難しいという
指摘が増えています。
そこで、事業承継 ―すなわちM&Aを含む経営資源の統合と刷新― は
単なる後継者問題の解決に留まらず、経営全体を根本から見直す絶好のチャンスといえます。
具体的には、法人クリニックでは、組織全体での投資計画や人材育成、
ガバナンスの再構築が急務です。
多岐にわたるサービス提供体制を維持しながらも、リスクを分散するためには
経営基盤の強化が不可欠です。
一方、個人クリニックの場合、院長個人の高度な専門技術やこれまでの診療経験が
最大の強みとなっていますが、次世代へのスムーズな技術・知識の移転が求められています。
こうした背景のもと、事業承継を戦略的に活用することで、これまでの経営の延長線上では
得られなかった、より強固で柔軟な体制を築くことが可能となるのです。
医療環境の変化に対応するための経営戦略
昨今の医療業界は、診療報酬改定や施設基準の見直し、建設費の高騰、
さらには人材不足といった外部要因の影響を大きく受けています。
これにより、従来の「窮余の一策的」な経営手法では、突発的な制度変更や
経済的な不安定要因に十分に対処できなくなってきました。
法人クリニックでは、地域全体を支える広範な医療サービスを提供するために
内部組織の再編や大規模な設備投資が必要不可欠となります。
これに対し、経営資源を一元管理し、各部門間の連携を強化することで
全体最適化を図る動きが進んでいます。
また、個人クリニックでは、院長の経験や信頼がこれまでの経営の根幹を成してきましたが
その強みが逆に後継者選定の難しさを生むケースも少なくありません。
ここで重要なのは、単に「誰が引き継ぐか」だけでなく、
経営の透明性や意思決定プロセスの見直し、さらには外部の専門家の力を借りることにより
従来の経営モデルを革新する点です。
柔軟かつ迅速な対応が求められる現代の医療環境では、各医療機関が抱える固有の課題に
合わせた戦略的改革が、安定経営と将来的な成長に直結することは間違いありません。
法人・個人クリニックそれぞれの課題と支援策
医療経営において、法人クリニックと個人クリニックでは抱える課題や必要な支援策が
大きく異なります。
法人クリニックの場合、経営の再編成に伴う出資持分の譲渡、役員体制の刷新、
そして従業員の配置転換など、多岐にわたる調整が必要です。
これらの課題に対応するためには、事前に詳細な財務分析や各種シミュレーションを実施し
最適な戦略を策定することが求められます。
実際に、ペンデルのサポートを受け、円滑な事業承継や経営再編を行った法人クリニックが
あります。
一方、個人クリニックでは、院長個人の実績とノウハウがこれまで経営基盤を支えてきた反面
その後継体制の整備が急務です。
経験豊富な院長から次世代へ技術や経営知識を効果的に引き継ぐためには
外部の経営支援の活用が不可欠です。
具体的には、税務、会計、法務の各分野に精通した税理士のような専門家が
後継者の選定から実務面でのサポートまで一貫して支援する体制を整えることで
透明性の高い経営プロセスが実現されます。
こうした取り組みにより、個人クリニックの持続可能な経営基盤を確固たるものとし
地域医療のさらなる充実に寄与することができます。
ペンデル税理士法人が提案する安心の未来への道
医療機関が抱える経営課題に対して、
事業承継を中心とした経営再編は、未来への扉を開く鍵となります。
ペンデル税理士法人は、30数年にわたり多くの開業医とともに歩み、医療法人化、分院展開
閉院作業、人事トラブルの解決など、幅広い分野で実績を積んでまいりました。
その経験と確かな専門知識に基づくサポート体制は、
法人クリニック、個人クリニック双方のニーズに柔軟に対応し、どのような経営環境下でも
安心して未来へ歩みを進められるよう、全力で支援いたします。
今後、医療業界はさらに複雑化・多様化することが予想されます。
しかし、適切な経営戦略と事業承継の取り組みを通じて、各医療機関が持続可能な体制を
築くことは十分に可能です。
私たちペンデル税理士法人は、皆様の経営転換期における不安や疑問に寄り添い
最適なご提案を行うことで、医療機関の未来を共に切り拓くパートナーとして
これからも貢献してまいります。
経営の転換や後継体制の整備など、どのようなご相談でも構いません。
ぜひ一度、当法人までお問い合わせください。
皆様とともに、持続可能な医療経営の実現に向けた一歩を踏み出せる日を心よりお待ちしております。