こんにちは!ペンデル税理士法人医業経営支援部の親泊です。
親から相続した実家を「とりあえず」放置していませんか?
日本の税制は、空き家放置に厳しくなっています。特例を使って有利に売却しようとしても、
進め方を誤ると、解体費用が譲渡費用として認められない事態に陥りかねません。
税務上のルールと照らし合わせ、現状を正しく把握しましょう。
(コラムの内容は公開時の法律等に基づいて作成しています)
「直接的必要性」と「客観的必要性」の境界線
土地や建物の売却において、譲渡費用は所得計算上、収入から控除できます。ここで問題となるのが解体費です。
- 従来の基準
土地を売るために「直接」かかった費用のみが重視されてきました。
- 判例上の考え方
平成18年の最高裁判決以降、個別の事情に照らし、その譲渡を実現するために
「客観的に見て必要であったか」が判断基準となっています。
- 相続空き家の特例
耐震基準を満たさない空き家を抑制する政策上、売却のために更地にする解体費には、
客観的必要性が認められる余地があると考えられます。
数百万円が「経費」か「持ち出し」か
例えば、相続した土地を更地にして3,000万円の特別控除を受けようとした場合、
建物の解体時期や契約内容が不適切だと、数百万円の解体費が譲渡費用として否認される
リスクがあります。解体と売却の間に相当期間が空くと、「売却のための費用かどうか」を
疑われる要因になり得ます。
「出口戦略」から逆算した解体計画を
- 契約順序の整理
可能であれば、解体工事前に、不動産会社と媒介契約を締結し、
「更地での売却」が前提であることを文書化しておくこと。
- 期限の厳守
特例適用には「相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」
という期限があります。先延ばしは機会コストを増大させるだけです。
- エビデンスの保持
利用制限を証明できる記録(電気・水道の使用状況、郵便物の転送記録、
賃貸していないことが分かる書類など)を保管してください。
不動産は所有しているだけで維持費とリスクを生みます。
ペンデルグループでは、税務上の特例を最大限に活用し、
クリニックの資産背景を整理する戦略を提案します。
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(参考)
国税庁:タックスアンサーNo.3255譲渡費用となるもの
国土交通省:空き家の発生を抑制するための特例措置