こんにちは!ペンデル税理士法人医業経営支援部の親泊です。
2026年(令和8年)も5月に入り、新年度の診療体制が落ち着いてきた頃でしょうか。
現在、医療業界では電子カルテの高度化やAI診断支援ツールの導入など、IT投資の重要性が
かつてないほど高まっています。
一方で、円安や半導体不足に伴う「物価高騰」は、医療機器やPCなどの備品価格を
押し上げています。
これまでは「30万円未満」という基準に収まっていたハイスペックな端末も、
今やその枠を超えてしまうケースが珍しくありません。
こうした状況を背景に、令和8年度の税制改正では、中小企業経営を支える
非常に強力な特例が拡充されることになりました。
(コラムの内容は公開時の法律等に基づいて作成しています)
改正の目玉:一括経費の上限が「40万円未満」へ
今回、最も注目すべきは、中小企業者等が取得した「少額減価償却資産」を
一括して経費計上できる特例の上限額が、30万円未満から「40万円未満」へと
引き上げられた点です。
通常、10万円以上の医療機器や備品を購入した場合、その耐用年数(PCであれば
一般的に4年など)に応じて数年かけて費用化する「減価償却」が必要です。
しかし、この特例を活用すれば、取得した年度にその全額を費用として計上できます。
年間合計限度額: 合計300万円まで(この枠自体は変更ありません)。
適用開始時期: 令和8年(2026年)4月1日以後の取得分から適用。
適用期限: 令和10年度末(2029年3月31日)まで3年間延長。
クリニック実務における「10万円」の差の意味
この「10万円の引き上げ」は、医療現場にどのようなメリットをもたらすのでしょうか。
たとえば、高精細な画像診断モニターを備えた診断用PCや、複雑なレセプト処理を
高速化するサーバー、あるいは歯科医院でのCAD/CAM関連システムや周辺機器などを
想像してください。
これまでは35万円のハイスペックPCを導入すると、30万円の壁に阻まれ、
数年間に分けて経費化する必要がありました。
今後はこれが「一括経費」となるため、その年の利益を圧縮し、手元のキャッシュフローを
厚くすることが可能になります。
減価償却計算の負担軽減につながることも、多忙な院長先生にとっては大きなメリットです。
特例利用のための「チェックポイント」
大きなメリットがある反面、適用にはいくつかの注意点もございます。
- 従業員数要件の厳格化
この特例を利用できる中小企業者の要件として、常時使用する従業員数が
「500人以下」から「400人以下」へと厳格化されました。
複数の分院を展開されている医療法人様は、今一度スタッフ数の確認が必要です。
- 「年間300万円枠」の管理
1個あたりの上限は40万円に増えましたが、年間合計で300万円までという総枠は
変わりません。計画的に設備投資を行いましょう。
戦略的な設備投資をペンデルと共に
今回の改正は、クリニックのIT基盤を強化し、業務効率化を推進する絶好のチャンスです。
しかし、一括経費算入を優先するあまり、翌年以降の償却費が不足して
経営計画が狂うといった事態は避けなければなりません。
ペンデル税理士法人では、単なる記帳代行に留まらず、こうした最新の税制改正を
クリニック経営にどう活かすかという、最新の税制改正を踏まえた設備投資計画や
資金繰りのご相談にも対応しております。
「この機器の導入は今がベストか?」「今年の投資枠はあといくら残っているか?」
些細な疑問でも構いません。医業経営のパートナーとして、院長先生の決断を
全力でサポートいたします。
(ペンデルへのお問い合せ はこちらから)
(参考)
国税庁:タックスアンサー No.5408(少額減価償却資産の特例)
経済産業省:令和8年度税制改正について(概要)