こんにちは!ペンデル税理士法人医業経営支援部の親泊です。
医療機関には補助金や医師会費など「消費税がかかるのか迷う取引」が多くあります。
その判断の軸となるのが「対価性」です。本記事では、課税か不課税かを見分ける考え方をやさしく解説します。
(コラムの内容は公開時の法律等に基づいて作成しています)
消費税のカギは「対価性」
消費税は、国内で事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡・貸付け・役務の提供に課税されます。課税か課税対象外(不課税)かを判断する要素の一つが、「対価性(反対給付があるか)」です。
対価性のある取引(課税)
診療報酬以外にも、物品販売、事務所の賃貸、工事の請負などは対価として金銭が支払われ、課税されます。交換・代物弁済・現物出資・負担付き贈与のように金銭を伴わなくても、反対給付があれば課税対象です。
対価性のない取引(不課税)
重要: 剰余金の配当、保険金、寄附金、補助金、損害賠償金などは原則として対価がなく、不課税です。
補助金・助成金
補助金は、国や地方公共団体が政策目的の実現のために交付するもので、反対給付=対価がありません。したがって課税対象外(不課税)です。医療機関が受け取る各種助成金も同様に考えます。
損害賠償金
損害賠償金は、心身や資産に加えられた損害を補填するために支払われるため、原則として対価性がありません。ただし、損害を受けた棚卸資産がそのまま(または軽微な修繕で)加害者に引き渡される場合や、無体財産権の侵害、不動産の明渡し遅延に伴うものは、対価性があるとして課税されるので注意が必要です。
会費
同業者団体や組合の通常会費(例:医師会費など)は、役務提供との対価関係が明白かどうかの判定が困難です。団体が継続して課税対象外とし、会員側も課税仕入れとしない処理をしている場合は、その処理が認められます。
無償でも課税される例外
無償の取引でも課税される場合があります。個人事業者が事業用資産を家事消費した場合や、法人が役員に資産を贈与した場合は、対価を得て行われた資産の譲渡と「みなして」課税されます。
まとめ
- 判断の軸は「対価性」
- 補助金・保険金・寄附金・会費は原則不課税
- 損害賠償金や役員への資産贈与など例外に注意
名目と実態がずれるケースもあるため、判断に迷う取引は専門家へご確認ください。

(参考)
国税庁:タックスアンサー No.6113「『対価を得て行われる』の意義」
消費税法第2条・第4条、消費税法基本通達5-2-5・5-2-15・5-5-3