こんにちは!ペンデル税理士法人 医業経営支援部 親泊です。
前回に引き続き、今回は財務諸表のうち「P/L、C/Fの読み方」についてお話ししますね。
早速、P/Lから見ていきましょう。
P/L(損益計算書)
P/L(ピーエル)は「Profit and loss statement(プロフィット アンド ロス ステートメント)」の略で、その期間中にどれだけもうけたかを示す書類です。
収入から経費を差し引いて計算し、差額がもうけ(あるいは損)になります。
収入には医業収入や物販収入、補助金などが含まれ、経費には医薬品の仕入れや従業員の給与、家賃などが含まれます。
以下の取引を例にP/Lの作成方法を見ていきましょう。
取引Ⅰ
診察に必要な医薬品を100万円分仕入れました。
仕訳
(医薬品仕入等)100万円 (現金預金)100万円
取引Ⅱ
患者さんの診察で1,000万円の医業収入を得ました。
仕訳
(現金預金)1,000万円 (医業収入)1,000万円
取引Ⅲ
従業員に給与200万円を支払いました。
仕訳
(給与)200万円 (現金預金)200万円
取引Ⅳ
クリニックの家賃90万円を支払いました。
仕訳
(地代家賃)90万円 (現金預金)90万円
→ P/Lでは、左に経費、右に収入を記載し、その差額がもうけになります。
P/Lを確認すると、収入合計が1,000万円、経費合計が390万円、その差額としての儲けが610万円であることがわかります。
この結果は後でB/Sにも反映され、純資産として計上されます。P/LとB/Sはこのようにリンクしています。
C/F(キャッシュフロー計算書)
C/Fはキャッシュフロー計算書の略で、現金の動きを詳しく見る書類です。
B/SやP/Lではタイミングのズレがあることがありますが、C/Fは現金そのものにフォーカスして、どの活動からお金が増減しているのかを確認できます。営業活動、投資活動、財務活動に分けて、どの動きが現金にどう影響しているかを把握できるんです。
C/Fは、現金がどれだけ入ってきて、どれだけ出ていくのかを正確に把握するために役立ちます。
たとえば、収入はあってもお金がすぐに入らない場合や、支払いだけが先に発生する場合もあります。黒字なのにお金が回らない「黒字倒産」なんてことがないように、現金の流れを把握しておくことが大切です。
以上、B/S、P/L、C/Fの読み方について、簡単にご説明いたしました。
これらの財務諸表を理解することは、診療所経営において非常に重要です。ご自身のクリニックの状況をより深く把握したり、将来の事業計画を立てる際にも役立つでしょう。
もし、もっと詳しく知りたいことがございましたら、お気軽にペンデル税理士法人 医業経営支援部までお問い合わせください。丁寧にご説明させていただきます。