こんにちは!ペンデル税理士法人 医業経営支援部 親泊です。
『医療法人化』と、聞いたことがある先生も多いと思いますが
具体的にどういうものか気になりますよね。
今回は、医療法人とは何なのか、そして医療法人化することでどのような
メリット・デメリットがあるのかをわかりやすくお話しします!
そもそも、医療法人とは?
医療法人は、病院や診療所、介護施設などを運営するために設立する法人のことです。
通常の株式会社は自由に事業を展開できますが、病院や診療所に関しては
ちょっと事情が違います。
医療は人々の健康を守る大事な役割を担っているため
安全性をしっかり確保することや、営利だけを目的にされない為に
「医療法人」(や「一般社団法人」)の形で運営することが求められているからです。
医療法人の設立は、2007年の医療法改正以降「持分の定めのない医療法人」という形でしか
認められていませんし、設立するには、各都道府県の知事から認可を受ける必要があります。
医療法人化のメリット
では、医療法人化することでどのようなメリットがあるのでしょうか?
一緒に見ていきましょう。
税金の負担が軽くなる
個人事業だと、所得税や住民税の合計で最大55%もの税金がかかることもありますが
医療法人にすると法人税率は最大で30%程度に抑えられます。
例えば、所得が4,000万円の場合、法人にすると約778万円の節税が期待できるのです!
家族を理事にして節税
個人事業でも、家族に「専従者給与」を支払うことは可能ですが
事業に専念していることが条件になります。
法人にすると、他の仕事をしている家族を理事にして役員報酬を支払うことができるので、
家族に所得を分散させて全体の税負担を軽減できます!
退職金で節税
個人事業主だと自分や家族あてに、診療所から直接退職金を支払うことができませんが
法人にすれば退職金を支給でき、しかも法人の経費として計上できるので節税効果があります!
受け取る人が支払う税金も、『退職金』は優遇されているので
給与所得で受け取るよりもかなり有利になります!
生命保険が経費になる
もし万が一のことがあった場合のために、個人で生命保険に加入している先生も多いと思いますが、
これを法人で契約すれば保険料の一部を経費として計上することができます!
赤字の繰り越しが長くなる
個人事業では赤字の繰越期間は3年ですが、法人にすれば10年間繰り越すことが可能です!
例えば、新型コロナのような予期しない事態や、大きな設備投資で赤字が出た場合でも
将来の利益と相殺できるので安心です。
分院や介護事業も運営できる
個人事業では1つのクリニックしか運営できませんが、医療法人にすると分院を設立したり、
介護施設を運営したりと、事業の幅を広げることができます。
さらに、将来的にお子さまが医師や歯科医師として独立したいときにも
分院として支援することが可能になります。
事業承継が簡単
個人事業のクリニックをお子さまに継承する際には、多額の相続税が発生することがありますが、
医療法人の場合、理事長の変更手続きをするだけで事業承継がスムーズに進められます。
前編では、医療法人化のメリットについて詳しく解説しました。
しかし、メリットだけでなく、デメリットや注意すべき点も存在します。
後編では、これらの点に焦点を当て、より深く掘り下げていきます。
また、医療法人化を検討する上で最適なタイミングについてもご説明します。
ご自身のクリニックのご状況など
医療法人化が本当に必要か判断に迷われている方は
お気軽にペンデル税理士法人 医業経営支援部までご相談ください。
経験豊富な専門家が、最適なアドバイスを提供いたします。