こんにちは!ペンデル税理士法人医業経営支援部の親泊です。
常時50人以上の職員(パート・アルバイト含む)を使用する事業場では、労働安全衛生法に基づき「産業医」を選任する義務があります。違反した場合は、50万円以下の罰金が科されることもあるため、該当する医療法人・診療所は確実な対応が必要です。 今回は、産業医の役割と、事業者が行うべきことについて解説します。
(コラムの内容は公開時の法律等に基づいて作成しています)

産業医の主な役割
産業医は、専門的な立場から職員の健康管理をサポートする医師です。主な役割は以下の通りです。
- 健康診断結果の確認と事後措置
健康診断の結果を確認し、異常所見があった職員に対して就業上の措置(就業制限、要休業など)について理事長(院長)へ意見を述べます。 - 長時間労働者への面接指導
時間外・休日労働が月80時間を超えた場合には、職員からの申し出に基づき面接指導を行います。また、100時間を超える場合は、申し出がなくても事業者に実施義務があります。 - ストレスチェックの実施と高ストレス者への対応
ストレスチェック制度の実施において、実施者や面接指導の担当として関与します。高ストレスと判定された職員への面接指導や助言も重要な役割です。 - 職場巡視と衛生委員会への参加
定期的に職場を巡視し、労働衛生上の問題点がないかを確認します。また、常時50人以上の事業場では衛生委員会の設置が義務づけられており、産業医は必ず委員として参加し、専門的立場から指導・助言を行います。
産業医を選任したら事業者が行うべきこと
産業医がその役割を適切に果たせるよう、理事長(院長)は以下の体制を整える必要があります。
- 産業医への権限付与と情報提供
- 権限付与
職員の健康管理に必要な情報を収集したり、理事長(院長)に対して勧告したりする権限を与えます。 - 情報提供
長時間労働者の氏名や労働時間、健康診断の結果など、職員の健康管理に必要な情報を産業医へ提供しなければなりません。
- 権限付与
- 産業医からの勧告の尊重と衛生委員会への報告
- 産業医から職員の健康確保に関する勧告を受けた場合、理事長(院長)はその内容を尊重し、講じた措置を衛生委員会に報告する義務があります。
- 労働者への周知
- 産業医の業務内容や相談窓口については、掲示やイントラネットでの公開など、全職員が把握できる方法で周知する必要があります。
- 産業医の業務内容や相談窓口については、掲示やイントラネットでの公開など、全職員が把握できる方法で周知する必要があります。
まとめ
産業医は、単なる義務として選任するだけでなく、積極的に連携することで、スタッフが健康で安心して働ける職場環境づくりに繋がります。これは、医療の質を維持し、人材の定着を図る上でも非常に重要です。産業医の選任や衛生委員会の設置・運営についてご不明な点があれば、お早めにペンデルグループへご相談ください。
【参考】
産業医ができること