こんにちは!ペンデル税理士法人医業経営支援部の親泊です。
長年、地域医療に多大な貢献をされてきた院長先生におかれましても、
ご高齢や後継者不在などを理由に、ご自身の代でクリニックの閉院(廃業)を
ご決断されるケースが増加しています。
最後まで患者様やスタッフに誠実に向き合い、無事に診療を終えられた後、
ホッと一息つきたいところですが、実は「最後の確定申告」に
大きな落とし穴が潜んでいることをご存じでしょうか。
個人のクリニックを廃業する際には、消費税の申告漏れが発生しやすいことが
税務上の課題として指摘されています。
その最大の原因が、「みなし譲渡」という消費税特有のルールへの理解不足です。
(コラムの内容は公開時の法律等に基づいて作成しています)
■見落としがちな消費税の「みなし譲渡」とは
通常、消費税は患者様からの自費診療収入や、事業用資産を売却して対価を得た場合に
課税されます(※保険診療は消費税の非課税取引です)。
しかし、実際に対価を受け取っていなくても「時価で譲渡した」とみなして
消費税が課税されるケースがあります。
その代表例が、事業用資産を個人的に使用する「自家消費(みなし譲渡)」です。
クリニックを閉院する際、処分しきれなかった医療機器、パソコン、往診用の車両、
あるいは医薬品や衛生用品の在庫などが残ることがあります。
これらを院長先生がご自身で引き取った場合、税務上は、その資産を時価で譲渡した
ものとして取り扱われる場合があります。
■具体的な評価とクリニック特有のリスク
廃業時の最終的な消費税申告では、通常の課税売上に加えて、残存資産の価値を
考慮して計算しなければなりません。
たとえば、数百万円で購入した超音波画像診断装置(エコー)や、往診用の自動車を
そのまま個人の自宅に持ち帰った場合、廃業時の時価が100万円であれば、
その時価相当額が消費税計算上の課税対象取引として扱われる可能性があります。
また、医薬品や衛生材料などの在庫品については、税務上の評価額の算定が必要となるため、
個別の確認が必要です。
特に医薬品は廃棄や返品、転売に関するルールも特殊であるため、安易な自己判断は
禁物です。
■想定外の税負担を防ぐための事前対策
このような「みなし譲渡」による想定外の税負担を防ぐためには、閉院日までの
計画的な資産整理が不可欠です。
価値のある中古医療機器は適正価格で売却し、使用できないものは専門業者に依頼して
確実に廃棄処分(除却)を完了させることが基本となります。
また、廃業時期や課税事業者・免税事業者の判定によって税負担が変わるケースもあるため、
事前のシミュレーションが重要です。
昨今はインボイス制度の登録状況などによっても対応が複雑化しています。
なお、この論点は単なる閉院だけでなく、法人成りの際にも、個人から法人への
資産移転方法によっては同様の論点が生じます。
■専門家による計画的な閉院・承継サポート
クリニックの閉院や医療法人化、あるいは第三者へのM&A・事業承継は、
院長先生にとって一生に一度の重大な経営決断です。
手続きの漏れによる追徴課税を防ぎ、これまでのご努力の結晶を最大限に守るためには、
早い段階からの計画づくりが欠かせません。
資産の適正な整理や、最終申告に向けた税務シミュレーションなど、事業整理に関する
ご不安がございましたら、ペンデル税理士法人の医業経営支援部へお気軽にご相談ください。
長年蓄積された医療機関への支援ノウハウを活かし、スムーズで円満なゴールを
ご支援いたします。
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