こんにちは!ペンデル税理士法人医業経営支援部の親泊です。
郊外型クリニックはもちろん、都市部の医療機関においても、患者様がスムーズに
来院できるよう「駐車場」を確保することは重要な課題です。
近隣の土地を駐車場として賃借しているクリニックは多いですが、毎月支払っている
その賃料に「消費税」がかかっているかどうか、正確に把握されていますでしょうか。
実は駐車場の賃料は、状況によって消費税が「課税」される場合と「非課税」になる場合が
あり、その判定ラインは実務上非常に間違いやすいポイントとなっています。
(コラムの内容は公開時の法律等に基づいて作成しています)
■原則と例外:「土地の貸付け」は非課税だが…
消費税法の大原則として、土地は使用や時間の経過によって消費されるものではないため、
単なる「土地の貸付け」は消費税が非課税とされています。
しかし、消費税法では以下の2つのケースを例外として「課税取引」に定めています。
- 一時的な土地の使用(契約期間が1か月未満の場合)
- 駐車場その他の施設の利用に伴って土地が使用される場合
駐車場において問題となりやすいのは、
2つ目の「施設の利用に伴って土地が使用されているか」という点です。
■課税・非課税を分ける「施設の利用」の境界線
街中でよく見かける屋根やフェンスのない「青空駐車場」であっても、
どこからが「施設」とみなされるのでしょうか。
過去の判例や税務上の解釈では、限られた土地上で車両を効率的に駐車できる状態に
整備されていれば、それは単なる土地ではなく「駐車場という施設の利用」とみなされます。
具体的に、以下のようなケースは「課税取引」とされる可能性が高くなります。
- アスファルト舗装、区画表示、車止め等が一体となって駐車場として利用できる状態に
整備されている - 駐車場として機能するためのフェンスや建物の設置などがされている
- ロープや白線、番号札などで駐車スペースを示す区画割りが明確にされている
逆に言えば、非課税となるのは、駐車場設備としての施設性が認められず、
実質的に土地そのものを貸し付けている場合です。
■クリニック経営における実務上の注意点
クリニック側が近隣の地主から駐車場を借りる際、契約書上は「非課税(土地代のみ)」と
記載されていても、実態として駐車場設備として利用できる状態に整備されている場合には、
契約書の記載にかかわらず課税取引と判断される可能性があります。
クリニックが消費税の課税事業者(原則課税)である場合、駐車場代が課税取引であれば
「仕入税額控除」の対象となり、納付する消費税額を減らすことができます。
逆に、本来課税取引であるのに非課税として処理していると、仕入税額控除を
適切に受けられない可能性があります。
一方で、医療法人が所有する遊休地を駐車場として貸し出す側になる場合は、
設備の状況によって受け取る賃料が課税売上となるか非課税売上となるかが変わります。
これは、課税売上高の計算や消費税の納税義務判定に影響する場合があります。
■駐車場の契約や税務処理は専門家へご相談を
なお、駐車場賃料の課税・非課税判定は契約書の名称だけではなく、
設備状況や利用実態を総合的に勘案して判断されます。
不動産賃貸借にかかる消費税区分は、思い込みによる誤った税務処理を行うと、
のちの税務調査で指摘を受けるリスクや、逆に税金を納めすぎてしまうリスクを
孕んでいます。
駐車場の新規契約や、既存の契約内容の税務的な見直しをご検討の際は、
ぜひペンデル税理士法人の医業経営支援部までご相談ください。
税務のプロフェッショナルとして、クリニックの安定経営に向けた
的確なサポートをご提供いたします。
(ペンデルへのお問い合せ はこちらから)
(参考)
国税庁:No.6213駐車場の貸付け
国税庁:消費税法基本通達第6章非課税第1節土地の譲渡及び貸付け等(6-1-5土地付建物等の貸付け)