こんにちは!ペンデル税理士法人 医業経営支援部 親泊です。
今回は、財務諸表(B/S、P/L、C/F)の中で、B/Sに絞ってお話ししますね。
開業後のクリニックの財産や経営状態を把握するのは、先生にとってすごく大事なことなんです。
1年でどのくらいのもうけが出たのか、どんな要因で増えたり減ったりしたのか、借入金や未払金がどのくらいあるのか、そしてそれを支払うためにはどれだけのもうけが必要なのか…
これらをしっかり把握できると経営が上手くいきますし、実際、ちゃんと数字を分析している先生方は成功していることが多いと感じます。
極論ですが、もうけを出すには、
【1】収入を増やす
【2】経費を減らす
この2つしかありません。
このためにB/S(貸借対照表)、P/L(損益計算書)、C/F(キャッシュフロー計算書)が読める、理解できると、ものすごく効率が良くなります。
では、それぞれの見方について説明していきますね!
B/S(貸借対照表)
B/S(ビーエス)は「Balance sheet(バランスシート)」の略で、資産と負債の状態を表す書類です。資産はプラスの財産、負債はマイナスの財産で、純資産はその差額です。
マイナスの財産、って日ごろ意識しませんよね。たとえば、現金や土地は資産、借金や未払金は負債です。純資産には、クリニックのもうけや自己資金が含まれます。
では、取引の例を使ってB/S作成の流れを見てみましょう。
取引Ⅰ
開業時に自己資金として100万円をクリニックに投入した。
仕訳
(現金預金)100万円 (元入金)100万円
→ 個人の通帳からクリニック用の口座にお金を移した、という感じです。
続いて、取引Ⅱです。
取引Ⅱ
銀行から5,000万円の融資を受けた(借り入れした)。
仕訳
(現金預金)5,000万円 (借入金)5,000万円
→ 銀行からお金を借りて、現金と借金の両方が増えました。
取引Ⅲ
医療機器を4,000万円で購入した。
仕訳
(医療機器)4,000万円 (現金預金)4,000万円
→ 現金が減って、その分が医療機器に変わっただけですね。
ルールに則り、このような取引の記録を集計し、クリニックの財産の状態を一目でわかるようにしたものをB/Sといいます。
これを見れば、現金がいくらあるのか、借金がどれだけ残っているのかなど、今のクリニックの状況がすぐにわかります。クリニック経営では多いと1ヵ月に200~300件の仕訳が発生しますが、そのすべてをルール通りに作成する必要があります。
B/Sは、左側に資産、右側に負債と純資産を表示します。
以上、B/Sの基礎的な読み方についてご説明いたしました。
次回は、P/LおよびC/Fについて詳しく解説してまいります。
B/Sに関するより詳細なご質問は、いつでもペンデル税理士法人 医業経営支援部までお気軽にお問い合わせください。