こんにちは!ペンデル税理士法人医業経営支援部の親泊です。
クリニックの経営が軌道に乗り、順調に資産形成を進められている院長先生にとって、
「将来の相続」や「ご家族への資産移転」は高い関心事の一つです。
配偶者様や、お子様、お孫様の将来のために、ご家族名義の口座を作り、少しずつ
資金を移しているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、良かれと思って行っているその対策が、将来の相続税の税務調査において
「名義預金」と指摘され、相続税の追加納税や加算税等につながる可能性があります。
(コラムの内容は公開時の法律等に基づいて作成しています)
■税務調査で厳しく問われる「名義預金」とは
名義預金とは、「口座の名義はご家族(配偶者や子・孫)であっても、
税務上、実質的に誰に帰属する財産か」を審査した結果、被相続人(院長先生)の
財産であるとみなされる預金のことです。
税務調査において名義預金と認定されると、当初から被相続人の財産であったものとして
取り扱われ、相続税の課税対象となります。
税務署は表面的な口座名義だけでなく、以下の要素から「真の所有者は誰か」を総合的に判定します。
- 資金の拠出者(原資)
その預金の原資は誰が拠出したものか。ただし、原資が院長先生の所得である場合でも、
適切な贈与手続きが行われていれば必ずしも名義預金になるわけではありません。
- 管理・運用者
通帳や銀行印を誰が保管し、預金の預け入れや払い出しを行っていたか。
院長先生がご自身の金庫で一括管理し、ご家族が自由に使えない状態であれば、
実質的な管理権が院長先生にあると判断されるリスクが高まります。
- 当事者の意思
贈与する側と受け取る側の双方に「贈与の合意」があったか。
口座の存在や贈与の事実を受贈者側が認識していない場合には、贈与の成立が否定される
要因となることがあります。
■配偶者名義の口座や証券口座にも注意が必要
特にお身内の多い開業医のご家庭で注意が必要なのが、配偶者様名義の口座です。
配偶者名義の口座であっても、実際の資金の形成過程や管理状況によっては、被相続人の
財産と認定される場合があります。
また、同様の考え方は、預金だけでなく証券口座や投資信託、NISA口座などにも及びます。
昨今、個人の投資活動が活発化していることから、税務調査においてこれら家族名義の
金融資産の帰属が厳しくチェックされるケースが増えています。
■正しい生前贈与で確実に資産を承継するために
名義預金と判定されず、確実にご家族へ資産を残すためには、「贈与の事実」を
客観的に証明できる状態にしておくことが重要です。
実務上、贈与契約書の作成に加え、受贈者(受け取るご家族)本人が口座を開設し、
通帳や印鑑を自ら管理して預金を自由に利用できる状態にしておくことが不可欠です。
また、贈与税の申告が必要となる場合には、適切に申告を行うことで
贈与の事実を示す資料の一つとなります。
長年苦労して築き上げたクリニック(の財産)を、トラブルなく円満に
次世代へ引き継ぐためには、生前からの綿密な計画と正しい手続きが不可欠です。
生前贈与の進め方や、ご家族の財産管理に少しでも不安を感じられましたら、
医療機関の承継・相続に強いペンデル税理士法人の医業経営支援部まで
お気軽にご相談ください。
院長先生の「ご家族へ残したい」という想いを、確実な形にするご支援をいたします。
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(参考)
国税庁:【誤りやすい事例】被相続人以外の名義の財産(預貯金)(PDF)
国税庁:タックスアンサーNo.4105相続税がかかる財産