こんにちは!ペンデル税理士法人医業経営支援部の親泊です。
実質負担2,000円で全国の自治体から魅力的な返礼品を受け取ることができる「ふるさと納税(寄附金税額控除)」は、クリニックの院長先生や医療法人・MS法人の役員の方々にとって非常にポピュラーな制度として定着しています。
しかし、直近の令和8年度税制改正において、高額所得者を中心に影響が生じる「特例控除額の上限設定」という大きなメスが入り、一部の高額所得者にとってメリットが縮小することになりました。
(コラムの内容は公開時の法律等に基づいて作成しています)
令和8年度税制改正:特例控除額に「193万円」の壁が新設
従来の制度では、ふるさと納税の特例控除額の上限は「個人住民税所得割額の2割(20%)」と設定されており、所得の増加に応じて寄附上限額も大きくなる仕組みでした。
しかし、今回の改正により、新たに「特例控除額193万円」という上限が設定されます。具体的には、特例控除額の上限が「住民税所得割額の2割」と「193万円」とのいずれか低い金額に制限されることになります。
上限設定による影響が出る所得水準の目安
では、この「193万円の上限」に引っかかり、ふるさと納税のメリットが縮小するのはどのような人でしょうか。
一定の前提で試算すると、課税所得が約9,650万円(給与収入ベースで概ね1億円前後)を超える層から、今回の寄附制限の直接的な影響が出始めます。(※給与所得控除や社会保険料、他所得の有無などにより変動するモデルケースです)
地方税法の新ルール:返礼品の魅力低下の可能性も
今回の改正では、寄附を受け取る自治体側に対しても厳しいルールが設けられました。 これまで、ふるさと納税に関わる経費(返礼品代や送料、ポータルサイトへの支払手数料など)は「寄附額の5割以下」とされていました。しかし新ルールでは、この経費をさらに圧縮し、「寄附額の6割以上を自治体の手元に残すこと」が義務付けられます。
送料やシステム手数料を急に削ることは難しいため、自治体は「返礼品の質や量を下げる」か「同じ返礼品でも必要な寄附金額を引き上げる」といった対応を迫られます。この厳格化は令和8年10月から段階的に導入されるため、寄附者側から見ても、今後は返礼品の還元率低下といった形で利用環境が厳しくなる可能性が高いと言えます。
役員報酬も踏まえた事前のシミュレーションが重要
ふるさと納税に上限が設けられたことで、これまで通りの感覚で多額の寄附を行うと、上限を超えた部分が自己負担2,000円で済む範囲を超えた寄附となる可能性があります。
特に、医療法人の理事長やMS法人などの法人役員の方におかれては、毎期の役員報酬の設定によって個人の課税所得が変わり、寄附上限額も大きく変動します。
ペンデル税理士法人では、院長先生や法人役員個人の所得税・住民税のシミュレーションから、法人全体の最適なタックスプランニングまでサポートしております。ご自身の最適な寄附限度額の算出や、トータルでの節税対策に関心のある方は、ぜひペンデルまでお気軽にお問い合わせください。
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(参考)
国税庁:No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)