こんにちは!ペンデル税理士法人 医業経営支援部 親泊です。
前回は、「開業形態の選び方」と「広告・宣伝」についてお話しいたしました。
今回は「事業計画と資金調達」について、分かりやすくお話ししていきたいと思います。
事業を立ち上げる際に一番大事なことは、しっかりした計画と、それに伴う資金調達です。
この2つがしっかりしていれば、後の展開もスムーズに進む可能性がぐっと高まりますよ。
(コラムの内容は公開時の法律等に基づいて作成しています)

まず、事業計画って一体何なのでしょうか?
簡単に言えば、事業を進めていくための「道しるべ」です。
特に、金融機関から融資を受けたい場合には、この事業計画書が欠かせません。
事業計画には主に、投資計画と利益・資金計画の2つがあります。
投資計画とは
投資計画では、クリニックの運営に必要な初期費用をまとめます。
たとえば、医療機器や内装工事の費用、さらには運転資金も考慮に入れます。
ここでいう運転資金は、経営が軌道に乗るまでの間に必要となるお金のことです。
ですから、どれくらいの初期投資が必要かをしっかり見積もることが大切です。
利益・資金計画とは
次に利益・資金計画です。一般的には、今後の5年間を見据えて
どれくらいの収益が上がるか、そして資金の出入りがどうなるかを計画します。
特に大事なのは、初期投資に対して、収益が「プラス」になるまでの期間です。
つまり、どれだけの時間がかかるかを予測します。
これをしっかり考えておかないと、途中で資金不足になりかねません。
例えば、診療所を開業するなら、1日に何人の患者さんが来れば黒字になるのか
診療科目ごとの平均単価をもとに考える必要があります。
資金計画を立てるときは、具体的な数字まで落とし込んでいくことがポイントです。
もしも、黒字になるまでの期間があまりにも長く必要なようであれば
その計画には無理があるかもしれません。
そういった場合には、投資計画を見直すのが得策です。
事業計画と融資の関係
金融機関が融資金額や条件を決める際に、この事業計画書はとても重要な役割を果たします。
言い換えれば、事業計画書のクオリティが、融資の条件を左右するということです。
ですから、計画書は自分だけで作成するよりも、税理士などの専門家に頼むのがオススメです。
プロに任せることで、より具体的かつ説得力のある計画書を作成することができます。
開業時の資金調達方法
次に、開業資金の調達方法についても触れておきます。
ここでは、一般的な方法をいくつかご紹介します。
自己資金
まずは、自己資金です。
これは自分の手持ちのお金を使って事業を始めるという方法です。
もちろん、自己資金が十分にあるなら、必要な金額全額を自己資金で用意することも
可能かもしれませんが、実際にはある程度の融資を受けることも視野に入れるべきです。
なぜなら、事業を始めた直後に予測できない問題が発生することも考える必要があるからです。
トラブル時に、手元にはできるだけ自己資金を残しておく方が安心です。
自己資金には、現金や預金だけでなく、保険の積立金や有価証券も含まれますので
これらも活用できるか検討しましょう。
親や親族からの借入
親や親族からお金を借りるのも一つの手です。
しかし、この方法には税務署から「贈与」とみなされるリスクがあります。
贈与だと判断されると、贈与税が発生する可能性がありますので
以下のポイントに注意して贈与とみなされないように準備しておきましょう。
1.契約書の作成
借りる金額、返済期間、返済方法などを明記した契約書を必ず作成してください。
無利息でも問題はありませんが、契約書という形で書面での証拠が必要です。
2.実際に返済を行う
「ある時払いの催促なし」ではなく、しっかり返済の事実を残しましょう。
親族間だからといって返済を曖昧にすると、贈与とみなされてしまうことがあります。
きちんとした返済計画を立て、それに従って返済を進めることが重要です。
3.返済の証拠を残す
返済は金融機関を通じて行い、通帳に支払記録(証拠)を残しましょう。
現金での返済は証拠が残らず、後にトラブルになる可能性があります。
金融機関からの融資
最も一般的な資金調達方法が、金融機関からの融資です。
このときに事業計画書を提出し、融資金額や条件が決定します。
ここで、計画書がしっかりしているかどうかが鍵を握ります。
融資担当者から見て計画が不十分だと、融資の条件が厳しくなることもあります。
資金調達にはさまざまな方法がありますが、どの方法を選ぶにしても、計画が大事です。
しっかりとした計画を立てることで、事業をスムーズに進めるための資金を確保できます。
特に医療系の事業を始める際には、医業に詳しい税理士のサポートを受けることが
成功への近道です。
適切な計画と準備をして、安心してクリニックをスタートさせましょう!
資金調達のサポートの他、開業全般のご相談にも対応しております。
サポート役が必要な先生は
ペンデル税理士法人 医業経営支援部までお気軽にご連絡いただければ幸いです。