こんにちは!ペンデル税理士法人 医業経営支援部 親泊です。
さて前回のコラムで認定医療法人のメリットをお伝えしたところで、
次に具体的な移行手続きやスケジュールについてお話ししましょう。
「移行にはどんな準備が必要なの?」「どれくらいの時間がかかるの?」といった
疑問にお答えします!
(コラムの内容は公開時の法律等に基づいて作成しています)

認定医療法人への移行スケジュール
認定医療法人制度は令和8年12月31日まで利用できる制度ですので、
今からでもまだ十分間に合います。
ただし、特に相続が発生した場合には、相続発生日から10か月以内に認定を受ける必要があります。
相続は突発的な出来事なので、余裕を持って準備をしておくことが大切です。
早めの準備が大事!
例えば、出資者が亡くなったときに、10か月以内で全ての手続きを終えるのはかなり大変です。
認定を受けるためには、まず移行計画を立てる必要があり、
それには出資者全員の同意が必要だからです。
この同意を取り付けるのに時間がかかることがありますし、
手続きを進めるためには、税務的な準備や法律的な確認も必要です。
また、認定手続きが終わったら、定款の変更を行う必要もあります。
これらすべてのプロセスを10か月以内に完了させるのは、
相続が発生してから準備を始めると非常に難しい場合があります。
厚生労働省の資料によると、検討から1年未満で移行した法人は7%!
逆に3年以上かかっている法人は25%とのことです。
参照:厚生労働省 認定医療法人制度の概要
認定を受けるための具体的な要件
移行を進める際には、いくつかの要件を満たす必要があります。
ここでは、その要件を簡単に説明します。
1. 特別な利益を与えないこと
出資者や関係者に対して、特別な利益供与をしないことが求められます。
たとえば、無償で財産を譲渡したり、非常に低い価格で取引を行ったりすると、
認定が受けられません。
2. 適正な役員報酬
役員報酬が不当に高額でないことも条件の一つです。
役員に対する報酬が適正な範囲内であることを示す必要があります。
3. 社会保険診療の割合
法人の収入のうち、80%以上が社会保険診療からのものであることが求められます。
これは、法人が医療を主な業務として適切に運営されていることを示すための基準です。
4. 遊休資産の管理
法人が保有している遊休資産(使われていない資産)が、
直近の事業年度の経費を超えないことも条件です。
これにより、過剰な資産を保有している法人は移行が認められない場合があります。
認定後のモニタリング期間
認定を受けた後も、医療法人は6年間のモニタリングを受けます。
この期間中に、上記の要件を満たし続けているかが定期的にチェックされます。
もし、運営が適正でないと判断されると、認定が取り消され、
税制上のメリットが受けられなくなってしまいます。
このため、認定を受けた後も、適正な運営を続けることが重要です。
「まだ相続の予定はない」と思っていませんか?
「相続なんてまだ先の話だし、そんなに急がなくてもいいんじゃない?」と
思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、早めの準備が重要です。たとえば、出資者が高齢で認知症になってしまった場合、
持分放棄の手続きができなくなってしまいます。
こうなると、持分の処理が非常に難しくなり、法人の移行が遅れる可能性があります。
また、相続が発生した後に移行を検討しても、準備が間に合わないことがよくあります。
特に、相続税が多額になるケースでは、移行計画を早めに作成し、
認定医療法人への移行を進めておくことが安心です。
認定医療法人制度をうまく活用すれば、相続時の税負担を大幅に減らすことができ、
医療法人の経営も安定します。
ただし、準備には時間がかかるため、早めに対策を講じることが肝心です。
制度の利用期間は令和8年12月31日までですが、相続が発生する前に
しっかりと計画を立てることが成功のカギです。
ペンデル税理士法人 医業経営支援部では、認定医療法人への移行に関するご相談を承っております。
関心のある方は、お気軽にお問い合わせください。