こんにちは!ペンデル税理士法人医業経営支援部の親泊です。
多くの院長が「うちは小規模だから」と甘んじてきた「週44時間特例」の
廃止を含めた見直しが、現実的な検討テーマとして議論される段階に入っています。
2026年の通常国会での法案提出は見送られたものの、改正の議論自体は止まっておらず、
成立した場合、人事労務の現場には少なからず大きな影響が及ぶことが想定されます。
人件費コストの増大を「仕方ない」で済ませるのか、戦略的に組織を変えるのか。
今後、院長の決断が問われるでしょう。
(コラムの内容は公開時の法律等に基づいて作成しています)
検討が進む主な論点と「44時間特例」見直しの行方
現在議論されている見直しの中で最も注目されているのが、特定事業に認められてきた
「週44時間」特例を廃止し、週40時間に統一する案です。
加えて、以下の項目が検討されています。
- 連続勤務の上限規制
現行の「4週4休」を前提とした考え方を見直し、
より短い期間での休日確保を求める方向性が検討。
- 勤務間インターバル制度の義務化
EU諸国の基準(連続11時間休息)も参考にしつつ、
勤務間インターバル制度の義務化が検討。
- 法定休日の特定義務化
休日労働の割増賃金トラブルを防ぐため、事前の特定をより明確に求める方向性。
- 「つながらない権利」の確立
勤務時間外の連絡について、ルール整備や配慮を求めるガイドラインの策定。
「隠れ残業」が経営を圧迫する
週44時間特例に依存したシフトを組んでいるクリニックでは、週40時間への移行だけで、
年間で1人あたり約200時間の「新たな残業代」が発生する計算になります。
また、インターバル規制が導入されれば、夜診から翌朝の診療までの
時間が短いクリニックでは、シフトの再設計が不可避となります。
これらを放置すれば、割増賃金の増加だけでなく、労使トラブルや採用競争力の著しい低下を
招きます。
おわりに
まずは、将来の制度変更を見据えたうえで、「特例に依存した管理」から脱却する視点を持つことです。
- 勤怠管理の完全デジタル化
特例廃止を見越し、週40時間前提でのシミュレーションを今すぐ行う。
- 就業規則の抜本改定
法定休日の特定や、インターバル規制に対応したシフト表の再構築。
- 「つながらない権利」のルール化
院長からスタッフへの時間外連絡を仕組みとして制限し、離職リスクを下げる。
法改正は「負担」ではなく「組織改善の機会」です。
労働時間の短縮をどう生産性向上に繋げるか。
ペンデルグループでは、貴院の現状を客観的に分析し、
次世代のクリニック経営を支える労務戦略を共に構築します。
(ペンデルへのお問い合せ はこちらから)
(参考)
厚生労働省:労働政策審議会(労働条件分科会)