こんにちは!ペンデル税理士法人医業経営支援部です。
特に慢性的な人手不足に悩むクリニックでは、採用だけでなく「辞めない職場づくり」が重要な経営課題となっており、助成金はその取り組みを後押しする制度として活用できます。医療現場において、育児や介護と仕事を両立できる環境づくりや非正規スタッフの処遇改善を進めるうえで、厚生労働省の各種助成金は非常に有効ですが、令和8年度(2026年4月)の制度改正において重要な見直しが行われました。 助成金は「制度を導入すれば必ず受給できる」というものではなく、年度ごとの要件変更も頻繁なため、最新の支給要領に基づいた確実な実務対応が求められます。今回は、医療機関で特に注目したい2つの助成金の改正ポイントを解説します。
(コラムの内容は公開時の法律等に基づいて作成しています)

■ キャリアアップ助成金(正社員化コース)の新たな加算措置
パートの医療事務や看護助手などを正職員等に転換する際の「キャリアアップ助成金」において、情報公開を促進する加算措置が新設されました。
正社員化コースの支給要件を満たしたうえで、一定の情報公表を行った場合には、情報公表加算(中小企業20万円)が上乗せされます。公表にあたっては、正社員転換制度の概要、直近3事業年度の転換実績人数、転換までに要した平均期間などを、自社サイトや厚生労働省の職場情報総合サイト「しょくばらぼ」等に公表することが要件となっています。これらを通じて「働き方を公開している安心感のある職場」として求職者にアピールでき、採用力の強化にもつながります。
■ 両立支援等助成金における「運用実績」の重視
多様な働き方を支える「両立支援等助成金」でも、より実効性を重視する見直しが行われています。
- 「障害児等要配慮支援加算」の新設
障害のあるお子様や医療的ケア児を養育する職員への支援制度を整備し、一定の要件を満たした場合に加算対象となる仕組みが新設されました(20万円)。
- 「子の看護等休暇制度有給化支援」の要件見直し
これまでは制度を有給化して就業規則に規定することが主たる要件でしたが、改正後は実際の利用実績が求められるなど、制度導入だけでなく運用の実効性を重視する仕組みへと変更されました。
■ 助成金活用は大前提として「計画的な環境整備」から
助成金を受給するためには、取り組みを行う前に、助成金ごとに定められた事前手続きや就業規則・労使協定の完全な整備が必要となります。事後の申請は原則として認められないため、事前のスケジュール管理が成否を分けます。
おわりに
助成金の支給要件や申請手続きは非常に複雑であり、法改正に伴う就業規則の改定や書類作成には実務ノウハウが求められます。
ペンデル社会保険労務士法人をはじめとするペンデルグループでは、医療現場の労務環境に精通した社会保険労務士や税理士が密に連携し、貴院の課題に応じた労務管理の改善をバックアップいたします。
助成金申請に関する実務支援や個別コンサルティングは、顧問先様向けサービスとしてご提供しております。顧問契約をご検討中の先生も、まずはお気軽にペンデルグループまでご相談ください。

(参考)
厚生労働省「キャリアアップ助成金」
厚生労働省「両立支援等助成金」
厚生労働省『事業主の方のための雇用関係助成金』