こんにちは!ペンデル税理士法人医業経営支援部です。
台風や地震などの自然災害が多発しています。
地域医療を支える医療機関としては、可能な限り診療を継続したいところですが、
スタッフの安全確保(安全配慮義務)も院長先生の重要な責務です。
災害時に休診にした場合、あるいはスタッフが出勤できなかった場合、
給与(休業手当)の支払いはどうなるのでしょうか?
判断に迷いやすいポイントを整理します。
(コラムの内容は公開時の法律等に基づいて作成しています)

クリニックの判断で休診にする場合
原則として、病院側の都合(判断)で休業を命じる場合は、労働基準法上の
「使用者の責に帰すべき事由」となり、平均賃金の60%以上の休業手当の
支払い義務が生じます。
ただし、以下のような「不可抗力」と認められる場合は、支払い義務が生じません。
- 交通機関の停止などにより事業運営が客観的に困難であり、使用者側で
代替措置を講じても事業を継続できないと認められる場合。
しかし、単に「台風が来そうだから念のため休診にする」といった予防的な休診の場合は、
気象庁の警報レベルや自治体の避難情報が出ているかなど、客観的に危険性を判断できる
材料があるかで扱いが変わります。
単なる予防的休診は休業手当が必要となるケースが多い点に注意が必要です。
スタッフ自身の判断で欠勤する場合
交通機関が止まっている、自宅が浸水したなど、スタッフ自身の事情や判断で
出勤できない場合は、原則として「欠勤」扱いとなり、給与支払いの義務はありません
(ノーワーク・ノーペイの原則)。
とはいえ、無理に出勤させて事故に遭えば労災問題にもなりかねません。
多くの医療機関では、有給休暇の振替利用を認めたり、就業規則に「特別休暇」を
設けたりして、柔軟に対応しています。
BCP(事業継続計画)の策定を
災害はいつ起こるかわかりません。
- どのレベルの警報で休診にするか。
- スタッフへの連絡網(安否確認)はどうするか。
- 電子カルテ等のデータバックアップは万全か。
これらを「防災マニュアル」や「BCP(事業継続計画)」として文書化しておくことを
強くお勧めします。
特に、賃金の取り扱いについては、事前にスタッフと共通認識を持っておくことが、
緊急時の混乱を防ぐ鍵となります。
おわりに
災害時の労務対応は、判断を一歩間違えると法的な問題や
スタッフとの信頼関係悪化を招きます。
就業規則への「自然災害時の対応」の明記や、BCP策定のサポートについては、
ペンデルグループへご相談ください。
(ペンデルへのお問い合せ はこちらから)
(参考)
厚生労働省:災害時における労務管理Q&A(PDF)