こんにちは!ペンデル税理士法人 医業経営支援部 親泊です。
前回は、「事業計画と資金調達」についてお話しいたしました。
今回は「設備投資」について、ざっくりお伝えいたします。
開業を考えている方にとって、内装や医療機器の準備は大きなポイントですよね。
特に費用面では、これらの部分が大きな割合を占めることが多いです。
今日は、内装と医療機器に関する注意点や選び方についてご確認ください。
(コラムの内容は公開時の法律等に基づいて作成しています)

内装のポイント
まず、内装について押さえておきたいポイントは大きく分けて3つです。
① デザイン、② 動線、そして③ 法令の遵守です。
① デザイン
内装のデザインは、患者さんの居心地やクリニックのイメージを大きく左右します。
クリニックを訪れる患者さんは、特に不安を抱えてやってきますよね。
そんな時に、どんな空間を提供できるか、どんな印象を持ってもらいたいかが非常に大切です。
例えば、温かみのある木目調のデザインにすることで、リラックスできる雰囲気を作ることも
可能ですし、シンプルでモダンなデザインにすることで、清潔感を演出することもできます。
どんな印象を与えたいのか、診療科目や先生自身の考えをしっかり形にしていくのがポイントです。
※デザインにこだわりすぎると、コストがかかりすぎることがありますので
投資計画に沿って、数字で判断するようにしてください
② 動線の確保
次に、動線です。
患者さんだけでなく、スタッフの皆さん、もちろん院長先生にとっても、動線は重要です。
例えば、診察や処置、検査、手術といった一連の診療行為をスムーズに行うためには
どんな部屋の配置がベストか?
患者さんがあちこち歩き回らなくても良いようにするにはどうしたらいいか?
スタッフが快適に動けるバックヤードになっているか?など
事前にしっかりと考える必要があります。
動線が悪いと、患者さんもスタッフも疲れてしまいますし、無駄な時間が増えてしまいます。だからこそ、効率的な動線を意識した設計が必要なのです。
③ 法令の遵守
最後に、法令を守ることも忘れてはいけません。
内装を考える際には、建築基準法や消防法はもちろん、医療法やバリアフリー法など
さまざまな法律が絡んできます。
デザインや動線をしっかり考えた上で、法令を守ることも重要です。
時々、医療機関の内装工事を経験していない業者にお願いしてしまい、保健所から
たくさんの指摘を受けることがあります。
デザイン重視の業者だと、デザインが良い代わりに、例えば動線が悪かったり
既定の面積に足りていなかったりすると、後から直すのに大きなコストがかかってしまいます。
クリニックの施工事例の多い業者に依頼することが安心でしょう。
医療機器のポイント
次に医療機器についてです。医療機器の導入方法には大きく分けて、「購入」と「リース」があります。
それぞれにメリットとデメリットがありますので、ここで詳しく見ていきましょう。
購入 | リース | |
---|---|---|
メリット | 自分のものになる: 一度買ってしまえば、その機器は先生の所有物です。 トータルコストが安くなる: 長い目で見れば、購入の方がリースよりも安く済むことが多いです。 | 初期コストを抑えられる: リースだと、購入に比べて最初にかかるお金が少なくて済みます。 償却資産税が発生しない: リース物件は自分のものではないので、税金の申告が不要です。 故障時の保証が利用できる: リース契約によっては、故障時に修理が保証されることもあります。 |
デメリット | 初期コストが高い: 購入するときには、一度に大きな金額が必要です。 償却資産税がかかる:購入した機器には税金がかかり、申告が必要です。 故障時に修理や買い換えが必要: 機器が壊れた場合には、自分で修理費用を負担することになります。 | 自分のものにならない: 多くの場合、リースしている間は、自分の所有物にはなりません。リースが終了しても、継続して使用する場合は、買取りか再リースが必要です。 トータルコストが高くなる: 長期的に見ると、リースの方が高コストになる傾向があります。 |
リースと購入には、どちらも一長一短があります。
機器がどれだけ長持ちするか、また故障の頻度によっても選択が変わってきますし
開業時の資金状況も考慮する必要があります。
そのため、どちらがベストなのかは
先生のニーズに合わせて慎重に比較・検討することが大切です。
もし、どちらにすべきか悩まれたら、ぜひ私たちにご相談ください。
状況に応じたアドバイスをさせていただきます。
ペンデル税理士法人は、開業希望の先生方の頼れる旗振り役として動いておりますので
設備投資のアドバイスの他、開業全般のサポート役が必要な先生、ご開業についてのご相は
ペンデル税理士法人 医業経営支援部までお気軽にご連絡いただければ幸いです。