こんにちは!ペンデル税理士法人 医業経営支援部 親泊です。
前回は、「税務調査官が気にするポイント」をお話しいたしました。
今回は、「税務調査後の対応と対策」をお話いたします。
コラムを読み込んで対策する時間はないけれど
心配だから一度相談に乗ってほしい!という先生は
まずご相談いただければ、可能な限りのサポートをさせていただきます。
(コラムの内容は公開時の法律等に基づいて作成しています)

税務調査後の対応と今後の対策
税務調査が無事に終わったら、「これで一安心!」と思うかもしれませんが
実はまだ少しやることがあります。
調査の結果にどう対応するかや
次回に備えて改善できるところをチェックすることが大事です。
今回は、税務調査が終わった後の対応方法や
今後に向けた準備について解説していきます。
調査後の対応
税務調査が終了しても、その場で全ての結果が決まるわけではありません。
実地調査の後、不明点や確認事項の対応が求められることがよくあります。
たとえば、税務署が追加で確認したい書類や情報が出てきたり
調査官が疑問に思った点に関して後日連絡が来ることがあります。
ですから、調査が終わったらすぐに油断するのではなく
引き続き税務署からの連絡に注意しておきましょう。
特に、税務署から不明点に関する質問書や確認依頼が届いた場合
これに対応しないと、修正申告や更正処分が行われる可能性があります。
この時も、まずは税理士と一緒に慎重に対応を進めることが大切です。
また、税務調査の結果、申告漏れや誤りがあった場合
修正申告を行うかどうかを検討する必要があります。
調査官から指摘を受けた内容に納得できる場合には
早めに修正申告を行い、不足していた税金を追加で納付します。
これによって、無駄な延滞税や加算税を最小限に抑えることができます。
ただし、納得できない指摘については、不服申し立てを行うことも可能です。
この場合、税理士を通じて税務署側としっかり話し合い、自院の主張を述べましょう。
不服申し立てを行う場合、税務署長に対して正式に「異議申し立て」を行い
その後も解決しない場合は、国税不服審判所へ審査請求を行う手続きに進むことができます。
最終的には裁判になるケースもありますが、ここまで行くことは稀です。
重加算税と延滞税
税務調査後に指摘を受けた場合、追徴税額に対して加算税や延滞税がかかることがあります。
特に注意が必要なのは、「重加算税」です。
これは、税務調査で意図的に収入を隠していたり、虚偽の経費を計上していたと
判断された場合に課せられる非常に重いペナルティです。
重加算税は追徴税額の35%という高率な税金が課せられます。
これが適用されると、「脱税」とみなされるケースも多いため
税務調査では収入除外や架空経費を計上していないか、特に注意しておく必要があります。
一方で、単なる計算ミスや事務的なエラーでの申告漏れの場合は
重加算税の適用にはなりませんが、それでも延滞税がかかります。
延滞税は、法定の期限内に納付されなかった税額に対して発生するペナルティで
調査結果によって追加で納めることになります。
調査結果に納得がいかない場合の対応
税務調査の結果に対して、納得がいかない場合はどうすればいいでしょうか?
まずは、税務署との話し合いが基本になりますが
それでも解決しない場合には異議申し立てという制度を使うことができます。
異議申し立ては、税務署長に対して「この結果には納得できない」という不服を表明し
再検討を求める手続きです。
異議申し立ての結果に納得できない場合は
さらに国税不服審判所に審査を請求することもできます。
これは、税務署とは独立した第三者機関で
税務署側の対応が適切かどうかのチェックを依頼することです。
もしそれでも解決しない場合は、最終的には裁判で決着をつけることも可能です。
ただし、ここまで進むケースは非常に少なく
多くは税理士と税務署の担当者との話し合いで解決します。
問題点が出てきた時は、冷静に対応し、税理士としっかり連携をとることが重要です。
今後に向けた対策
税務調査が終わった後は、今後の対策をしっかり練っておくことが大切です。
税務調査を受けることで、診療所の経理処理や帳簿管理の改善点が見えてくることがあります。
特に、調査で指摘された事項はもちろんですが、指摘を受けなかった項目についても
これを機に見直しておくと良いでしょう。
例えば、帳簿の整理や領収書の保管方法、現金管理の徹底など
日々の運営の中でできる改善ポイントが見つかるかもしれません。
また、税務調査で指摘されやすいポイント(例えば収入除外や経費の水増しなど)に
対しては、普段から注意を払っておくことで、次回の調査でのトラブルを防ぐことができます。
さらに、顧問税理士と定期的に打ち合わせを行い
最新の税務情報や法律の改正に対応していくことも大切です。
税務署は法改正などに敏感なので、最新のルールに沿って適切な経理処理を行っていれば
税務調査でも問題なく対応できるはずです。
税務調査は予防が大切
税務調査を受けたからといって、必ずしも追徴課税をされるわけではありません。
調査で問題がなければ、そのまま何もなく終わるケースもあります。
しかし、調査が入るまでの普段の対応が、結果を大きく左右します。
例えば、日頃から帳簿を整えておくことや、税理士との連携をしっかり取っておくことが
調査時にスムーズな対応につながります。
また、記帳方法や領収書の整理方法を見直すことで、調査官からの信頼感が生まれ
結果的に調査を早く終わらせることができる場合もあります。
税務調査が来た時に慌てることなく、普段からしっかり準備をしておけば
結果的に税務署とのやり取りもスムーズになります。
何よりも、次の税務調査に備える意味でも、今回の調査結果をしっかり活かして
今後の運営に反映させていくことが大切です。
先生方からよくご質問いただく税務調査についてお話いたしました。
次回はシリーズ最終回として、税務調査官から指摘を受けやすい項目に触れたいと思います。
税務調査では、日ごろの準備がとっても重要です。
少しでも、日々の経費書類の整理に不安がある先生は、早めに顧問税理士にご相談ください。
ペンデル税理士法人 医業経営支援部では、医療機関を専門とした税務担当が
全力で先生をサポートさせていただきます。
ご不明な点やご不安な点がございましたら、いつでもご連絡ください。